研究課題/領域番号 |
24650544
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
神長 裕明 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (60214524)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 協調ソフトウェア設計開発演習 / 知識知見情報 / ノウハウ蓄積 / 教育工学 |
研究概要 |
ソフトウェア設計開発に携わる人材の育成には,協調開発過程における実際的ノウハウを,演習を通して体得させることが重要である.しかし,大学等の演習授業では,独特の制約ゆえに,ノウハウの効率的な蓄積とそれらを活用した訓練が十分に行えていない現状がある. そこで本研究では,協調ソフトウェア設計・開発演習における実際的な経験知識の習得を目指し,演習上の制約に対応可能な知識・知見の蓄積活用支援手法の開発を目標とする.そのために,まず,素性の異なる知識・知見を準独立的に獲得・蓄積し,その間の関係性を分析する手法を開発する.その上で,知識・知見の獲得から集約・視覚化までの支援を見据えたシステム的枠組みデザインを検討し,協調ソフトウェア開発演習におけるノウハウ習得支援の新たな可能性を探る. 本年度は,主に以下の作業に取り組んだ. ・知識・知見情報獲得蓄積システム群の設計:実際の演習過程で生じる知識・知見を観察し,その発生状況や開発工程との関係・意味を整理した.その結果に基づいて,取得する知識・知見情報の種類や属性情報,それらの観察・取得に関するシステム面について検討した. ・知識・知見情報の連携手法の開発:定型的知識と非定型知見の間の特徴的な関係に焦点を当てた知識知見情報の観察分析を行った.その上で,素性の異なる知識・知見情報の関連づけについて,手法・システムの両面から検討した. ・知識・知見情報間関係抽出手法の開発:特徴語出現状況や属性情報等の分析により,関連づけされた知識・知見情報群が体言する話題とその遷移過程を抽出する手法・システムを開発し,その視覚化について検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
個別の分析結果については勿論見込みと異なるものもあったが,作業は概ね予定通り進捗した.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,主に以下の作業を遂行する. (1)プロトタイプシステムの開発にあたる.また,既存の協調ソフトウェア開発学習環境と連携等を含めた検証を行い,問題・留意点などを整理する. (2)協調ソフトウェア開発学習にプロトタイプを導入し,実践的評価を試みる.この際,本申請課題の性格を鑑み,効果・メリットの一面的な確認に陥ることなく,問題点や留意すべき点,新たな課題などを出来る限り記録・整理するよう努める. また,研究成果を随時取りまとめ,学会発表・論文投稿の準備を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
概ね,以下の通り予定している. 備品:主に,支援システム運用・評価用マシンを購入予定である. 旅費:研究打合せ,情報収集,研究成果報告のための旅費を予定している. 謝金:開発補助,データ整理等の謝金を予定している. その他:学会参加費,論文投稿料等を予定している.
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