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2012 年度 実施状況報告書

大学教育を革新するポスト・ラーニングコモンズの創出

研究課題

研究課題/領域番号 24650546
研究機関千葉大学

研究代表者

竹内 比呂也  千葉大学, 文学部, 教授 (10290149)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード高等教育 / 大学図書館 / 学習環境 / 学習成果 / ラーニングコモンズ
研究概要

大学の学習基盤としての図書館による電子資料等の新しい学習コンテンツの提供,図書館付設型ラーニングコモンズの整備とそこでの学習支援サービスの提供が,大学生の学習行動,情報利用行動にどのように影響するかを明らかにし,学習成果にどのような成果をもたらすのかを検証することを通じて,効果的な学習環境整備の方向性を示し,ポストラーニングコモンズとしての大学の新しい学習空間を創出するという本研究の目的にそって,当該年度においては,当初より設定されていた3つの研究課題,すなわち,「1.ラーニングコモンズの効果検証」,「2. 統合的教務IR」,「3. 資料の利用検証」について以下のような研究を行った。
「1.ラーニングコモンズの効果検証」については,2012年度から千葉大学において供用を開始したラーニングコモンズにおいて学習支援に資する様々な活動を計画するとともに,これらがどのように利用されるのかを検証するための手法の確立に向けて,複数の手法について実現可能性などを検討し,防犯用監視カメラ映像を用いた定量的調査,グループインタビューおよび個人の学習行動を静止画像で記録し,それを基にインタビューを行うという定性的調査を実施し,その結果についての予備的な分析を行った。「2. 統合的教務IR」については,2011年度に試行的に実施した学部生を対象とする学習時間,情報利用行動調査の結果を踏まえ,調査項目などを見直した上で,当該年度に本格なweb調査を実施するとともに,この結果とその他の学習状況を示す情報との接合手法について検討した。「3. 資料の利用検証」については,ラーニングコモンズにおける印刷体資料の利用状況に関する定量的調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究のために3つの課題を設定しているが,課題毎にその達成度について若干の違いはある。「1.ラーニングコモンズの効果検証」については,当初想定していた情報工学的方法のみならず,社会科学的な質的調査法を含む検討,また予備的な調査の実施に至るなど,計画以上の進展が見られる。「2. 統合的教務IR」については,当初計画されていた,2011年度に試行的に実施した学部生を対象とする学習時間,情報利用行動調査の結果を踏まえた調査項目の検討のみならず,本格なweb調査を実施することができた。しかしながら,成績情報や図書館利用情報との接合のための環境整備については,検討を行うに止まっている。「3. 資料の利用検証」については,ICタグシステムの安定的な利用を実現するための調整に想定以上の時間が必要となったことから,当初想定していたような個別タイトルごとの利用データの取得が困難となり,より簡便な手法をとらざるを得なくなった。このように,課題によっては計画以上に進展しているものもあるが,若干の遅れが生じている課題もあるため,全体としては「おおむね順調に進展している」と評価した。

今後の研究の推進方策

「1.ラーニングコモンズの効果検証」「2. 統合的教務IR」「3. 資料の利用検証」の各課題いずれにおいても,平成24年度の成果をふまえて,目的に向けてそれをさらに発展させる。「1.ラーニングコモンズの効果検証」においては,24年度に実施した調査手法とその結果の検討を踏まえ,見直しを行った上で規模を拡大した本格的な調査を実施する。またその結果の分析を行う。「2. 統合的教務IR」においては,学部生を対象とする学習行動,情報利用行動についてのweb調査を継続して実施することによって経年変化を明らかにするとともに,成績情報,図書館利用情報などと組み合わせた統合的な分析を実施する。「3. 資料の利用検証」においては,ICタグシステムが安定稼働するようになったことから,利用調査を継続して実施する。
各課題の探求によって得られた知見を統合することによって,大学における学習環境の利用状況や日常的学習行動などに基づくラーニングアウトカムの検証を行い,ポストラーニングコモンズとしての「効果的な学習環境の開発」を提起する。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度においては,海外における成果報告の場が限定されていたために当初予定した旅費の支出が抑制されたことなどから,次年度使用額が生じた。平成25年度においては,当該年度に請求する研究費と合わせて,調査実施,分析のために必要な謝金,物品費として使用するとともに,学会などでの成果の報告する(旅費)。さらに,独自の成果報告会を開催し,報告書を作成,配布することで,広く社会に成果を公表する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 図書館付設型ラーニングコモンズの整備による学習行動の変容に関する探索的研究2013

    • 著者名/発表者名
      竹内比呂也,庄司三千子,丸茂里江,池尻亮子,竹内茉莉子,谷奈穂,國本千裕,岡本一志,白川優治,川本一彦
    • 学会等名
      大学教育学会
    • 発表場所
      東北大学(宮城)
    • 年月日
      20130601-20130602
  • [学会発表] Academic Link: a new library concept to promote students’ active learning2012

    • 著者名/発表者名
      Hiroya Takeuchi, Kazuhiko Kawamoto, Yuji Shirakawa, Yudai Anegawa, Chihiro Kunimoto, Kazushi Okamoto, Shigeo Fujimoto
    • 学会等名
      International Association of Scientific and Technological University Libraries
    • 発表場所
      Nanyang Technological University(Singapore)
    • 年月日
      20120604-20120607
  • [学会発表] 大学図書館でのSA による学習相談の試行的実践:千葉大学アカデミック・リンクの事例報告2012

    • 著者名/発表者名
      竹内比呂也,姉川雄大,白川優治,國本千裕,川本一彦,岡本一志,米田奈穂,庄司三千子,谷奈穂
    • 学会等名
      大学教育学会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道)
    • 年月日
      20120526-20120527

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公開日: 2014-07-24  

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