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2012 年度 実施状況報告書

ゲームメカニズムの現実問題への適用(コミュニケーションスキル育成を対象として)

研究課題

研究課題/領域番号 24650547
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京大学

研究代表者

檜山 敦  東京大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (00466773)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードシリアスゲーム / ヒューマンコンピュータインタラクション
研究概要

平成24年度は、日常的コミュニケーション行動の長期的な定量化手法の構築について取り組んだ。 コミュニケーションに関する先行研究の知見や動画分析などを基に、コミュニケーションを構成するパラメータを決定した。ライフログ技術を用いて、コミュニケーション行動を特徴づける情報として、複数の物理センサ候補から、利用者の物理的負担・心理的負担が小さく、コミュニケーションが円滑であるかを客観的に評価しうる指標として、「笑顔」に着目し、対話時における相手、もしくは自分の笑顔頻度を計測するシステムを構築し、コミュニケーション状況を定量化する実験を行った。システムの評価に当たっては、調査票により対話相手から見たユーザの印象やユーザ本人のコミュニケーション意識を調査し、定量化したコミュニケーション行動との関連性の検証を行い、「笑顔」がコミュニケーション状況を評価する定量的指標の一つとして有効であることを確認した。このことは、従来、客観的に評価しにくいコミュニケーション力について、定量的な指標を構築した意義がある。コミュニケーション指標としての「笑顔」に関しては、さらに、平成25年度に予定していたゲームメカニズムの導入によるコミュニケーション向上を狙ったシステムのゲーム化研究に踏み込み、アプリケーションを開発し、評価実験により、フィードバックによるユーザのスキル向上意欲の促進に効果が得られた。以上より、コミュニケーション力の向上という高次の現実問題に対してゲームメカニズムを適用する方向性・有効性が見えてきたことは、多様な社会的課題を解決する手段としてのゲームメカニズムの適用領域を拡大する意味において重要であるといえる

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の目標であるコミュニケーション行動を長期的に定量的に評価する仕組みを構築することについては、コミュニケーション力を測る指標として「笑顔」に着目し、実験により定量的に計測可能な指標として利用可能であることを確認した。指標としての「笑顔」に関しては、平成25年度の研究を先取りする形で、「笑顔」を指標として用いたコミュニケーション力の向上を狙ったシリアスゲームシステムを開発し、評価実験を行い、成果を国際会議で発表する段階にまで進展している。その意味においては、当初の計画以上に進展しているといえる。しかし、コミュニケーションは多様な要素を含んでいるため、「笑顔」以外の定量的な指標の可能性の検証をより深めていく必要もある。複数の定量的指標によるコミュニケーション状況の評価は、総合的なコミュニケーション力の向上を狙ったシリアスゲームシステムの構築における課題となる要素でもあるため、全体としては、おおむね順調に進展しているという評価が妥当であると考える。

今後の研究の推進方策

「笑顔」を指標としたコミュニケーション力の向上アプリケーションのブラッシュアップを行う。具体的には、よりゲーム効果の高いフィードバック手法の検討、笑顔以外の指標の構築とコミュニケーション力の向上への応用可能性の検討を行う。ブラッシュアップしたアプリケーションを用いて評価実験を行い、最終的な成果を国内外の学会にて発表する。

次年度の研究費の使用計画

「笑顔」を指標としたコミュニケーション力の向上アプリケーションのブラッシュアップと長期的評価実験を展開する費用、研究成果を国内外の学会にて発表する経費に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Communication Pedometer: A Discussion of Gamified Communication Focused on Frequency of Smiles2013

    • 著者名/発表者名
      Yukari Hori, Yutaka Tokuda, Takahiro Miura, Atsushi Hiyama and Michitaka Hirose
    • 雑誌名

      Proceedings of the 4th Augmented Human International Conference

      巻: ISBN: 978-1-4503-1904-1 ページ: 206-212

    • DOI

      10.1145/2459236.2459272

    • 査読あり
  • [学会発表] コミュニケーションの万歩計ゲーム -笑顔に着目したコミュニケーションの可視化の試み-2013

    • 著者名/発表者名
      堀 紫,徳田 雄嵩,三浦 貴大,檜山 敦,廣瀬 通孝
    • 学会等名
      インタラクション2013
    • 発表場所
      日本科学未来館,東京
    • 年月日
      20130228-20130302
  • [学会発表] コミュニケーションの万歩計- 笑顔に着目したコミュニケーションのゲーム化に関する検討 -2012

    • 著者名/発表者名
      堀紫,徳田雄嵩,三浦貴大,檜山敦,廣瀬通孝
    • 学会等名
      日本バーチャルリアリティ学会第17回大会
    • 発表場所
      慶應義塾大学 日吉キャンパス,横浜
    • 年月日
      20120912-20120914

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公開日: 2014-07-24  

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