研究課題/領域番号 |
24650552
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
外池 俊幸 名古屋大学, 情報基盤センター, 教授 (80180157)
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研究分担者 |
後藤 明史 名古屋大学, 情報基盤センター, 准教授 (50225645)
大平 茂輝 名古屋大学, 情報基盤センター, 助教 (60339695)
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キーワード | 間接学習 / 英語教育 / 学習過程 / コミュニケーション / 課題遂行 / タブレットデバイス |
研究概要 |
本研究では、別の対象を主体的に学習した結果として、間接的にある対象を学ぶことになることを間接学習と呼び、英語教育において間接学習を実践するために必要な情報技術の確立を目指した。 平成26年度は、システムの有効性評価とファシリテーションの分析を実施した。既存の情報技術の間接学習における有効性、および学習者のコミュニケーションへの関与を、システム利用の有無で比較したところ、学習の記録行為に大きな差は見られなかったが、情報提示の点で約2.9倍効率的であるとの結果が得られた。これにより、ポスター製作に要する時間も約52%短縮され、結果として、議論などのコミュニケーションにより多くの時間が割かれることが分かった。また、間接学習時のファシリテータの必要性を分析した結果、間接学習映像からもアンケート調査からも、調整役・可視化としてのファシリテータが重要な役割を果たしていることが分かった。しかし、役割の一部を機械的に置き換えることの可能性については十分な知見が得られなかった。また、間接学習履歴データと学習過程の映像コンテンツを共有・閲覧するビューワを開発した。他グループの学習過程を見ることにより、自グループの問題点の発見に役立つことが分かった。 英語教育における間接学習の役割として、直接的な英語学習とは異なる視点を与えることで学習者に興味を持たせる効果が挙げられるが、学習サイクルの継続性までを捉えるには至らなかった。短期的な記憶に関して英語力の向上を分析した結果、システムを用いた方が低い評価となった。一方で、プレゼンテーションの明瞭さとディスカッションの満足度の点でシステムを用いた方が高い評価が得られたことから、課題遂行型の間接学習システムは、英語学習においては十分に機能したとは言えないが、英語に触れる機会を増やし、議論や発表などの学習者間のコミュニケーションの増大には有効であると言える。
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