研究課題/領域番号 |
24650553
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
松井 博和 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10303752)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 外国語会話学習 / ダイレクトメソッド会話学習 / コミュニケーションロボット / E-learning |
研究実績の概要 |
科研題目:「ロボット教師によるダイレクトメソッドの外国語会話学習」の進捗状況については,以下の通りである.これまでに,題目の外国語会話学習を達成するために作成してきた2台のロボットの動きを示すシナリオが男女それぞれ,理系文系それぞれの大学生と短大生に有効であることを確認した.また,その効果的なシナリオの作成法を検討した.さらに,元々の研究対象である高学年の小学生に対しても有効であるかどうかを確認するために,三重県桑名市にある「長島ふれあい学習館」にて 約20人の小学生に対して,レゴロボットを用いて語学学習の被験者実験を実施した.その結果,本研究の対象である小学5,6年の児童に対しては,大学生と同じシナリオでも大学生と同様の結果を得られることが確認できた.小学3,4年の児童に対しては,人により効果が大きく異なり,小学1,2年の児童に対しては全く有効でなかった.このような研究開始前の想定通りの結果が確認できた. 本研究の成果発表は,富山市総合体育館で2014年5月25日--29日の間開催されたロボティクス・メカトロニクス講演会2014で「ロボット教師によるダイレクトメソッドの外国語会話学習--シナリオ作成の指針の検討--」として発表し,福岡市にある九州産業大学で2014年9月4日--6日の間開催された第32回日本ロボット学会学術講演会で「移動ロボットによるダイレクトメソッド語学学習の評価」として発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は,言語は学習対象外国言語のみを用いてロボットの動作と発話をみて外国語会話が学習できるかが課題である.この課題において最も重要なのは人が言語を学習できるロボットの動作と発話の組み合わせが存在するかである.その点においては,これまでその組み合わせの存在を示すことができた.しかし,現在,既存技術ではあるが音声認識の部分を人が代わりに実施している.この部分を自動に置き換えない限り真の意味での研究の目的が達成できない.既存技術であるということで,蔑ろにしてきて予定が遅れてしまった.
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今後の研究の推進方策 |
音声認識システムに既存で研究目的への使用はフリーなロボット用のミドルウェアであるRos上で動くrospeexを導入し音声認識の自動化をする.また,さらにCMU Sphinxを用いて音声認識させるために絞られた単語候補に対するネイティブの言語データを収集し,本用途に限定する音声認識の精度を上げる.これらの既存技術を用いることで本研究を完成させる.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の本研究計画において,研究費使用の主な用途は,ハードウェアの購入と国内海外出張である.平成26年度に、海外出張し言語データを収集したいと考えていた.しかし,研究上被験者としての条件を満たす海外の研究協力者の確保、及び日程調整がつかず、海外出張ができずに,未使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
当初の計画どおり,来年度は,海外研究協力者の確保、日程調整の目処がたったため、海外出張をし言語データ収集をするつもりである.また,海外出張の前に,言語データ収集が効率的にできるように大学内において海外留学生を被験者としてシミュレートし,言語データ収集の計画を立てる.
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