研究課題/領域番号 |
24650554
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
梶田 将司 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (30273296)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | デジタルアイデンティティ / eポートフォリオ / オーセンティシティ / デジタルマイセルフ / ボキャブラリ形成 / eラーニング / フォリオシンキング |
研究概要 |
アナログワールドに生きる自己とそのデジタルワールドでの投影であるデジタルマイセルフの「内的オーセンティシティ (Internal Authenticity)」の形成を進めるために以下の項目を実施した: (1) 学習すべき言葉を聞いたり話したりする聴覚的フィードバック,与えられた文章中の未知語を指示する視覚・作業的フィードバック等を可能にするツール群を作成の一つとしてし,獲得すべき言葉と未知語を明確にしながら学習し,獲得した言葉とそのエビデンスをポートフォリオとして蓄積するためのeポートフォリオシステムの現状を調査するとともに,その基盤ソフトウェアとして HEC Montreal の WAD を用いた基盤開発を行った. (2) モバイル環境においても,聴覚的・視覚的・作業的なインタラクションが行えるように iPad・iPod Touch用のツール群を効率よく開発するため,モバイル端末専用アプリケーションを統一的に開発可能な Jasig uMobile をベースとしたパーソナライゼーション基盤の構築を行った. (3) eポートフォリオシステムをベースにしたフォリオシンキングにより,内的オーセンティシティを高める手法を開発するための基本的な概念をまとめた. (4) 評価実験の実施に向けて京都大学の学部・大学院レベルの学生の積極的な参加を募るため,「コンテキストアウェアコース管理システム uClassroom」のサーバ側コンポーネントである日本語版Sakaiをベースにした学習支援システムの構築を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究開発を通じて,評価実験に必要な基盤システムのコンポーネントが整った.特に,ルーブリックベースのポートフォリオシステムとして HEC Montreal のオープンソースポートフォリオシステムの利用に目処が付いたことは,内的オーセンティシティを高めながらボキャブラリ形成を進めていくため手段として極めて重要であると考えている.また,日本語版 Sakai をベースとした京都大学学習支援システム PandA の正式運用も開始され,実際の学びの場をベースに実践的に評価実験を行える環境が整ったことも重要である.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,株式会社アルクから提供を受ける予定(内諾済み)の習熟度別英語学習コンテンツを教材としたeポートフォリオ設計やESLの学習過程の設計を,すでに連携体制を構築している米国 Three Canoes 社等の専門家とともに行うとともに,ボキャブラリ形成実験のためのプロトタイプシステムを構築し,小規模実験を行いつつ改良する.そして,まず,5名程度の評価実験を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
eポートフォリオ設計・ESL学習過程設計のための調査旅費・業務委託費として使用するとともに,プロトタイプシステムの開発費とそれを用いた評価実験実施経費として使用する.
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