本研究では,算数文章題の問題解決過程における「統合」と「プラン化」を具体的かつ可視化された作業として学習者が実行できるソフトウェアシステムを設計開発し,その実験的な運用までをおこなった.本研究においては,統合・プラン化過程のモデル化として,三課ウブロックモデルを提案し,統合表現を三角ブロックモデルの統合として,プラン化過程を統合された三角ブロックモデルに基づく計算処理として定式化している.この定式化に沿ったソフトウェアシステムと,タブレットをクライアントとし,サーバをWiFiでで結ぶことで実現している.小学校の算数授業における利用を通して,学習者の作る統合構造が,(1)求答型,(2)物語型,(3)積和標準型,の三つに分かれることが分かった.さらに,その方によって,学習者の一般的な算数能力に差があることもわかった.さらに,三角ブロックの統合に困難を感じる学習者の存在も確認でき,統合活動の誘導機能の設計開発と,実験的利用までを行った.
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