研究課題/領域番号 |
24650566
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研究機関 | 多摩美術大学 |
研究代表者 |
楠 房子 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (40192025)
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研究分担者 |
岡田 修一 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70152303)
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
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キーワード | 高齢者 / 福祉工学 / コンテンツ / ユーザインタフェース |
研究概要 |
本研究は、A) センシングすることにより,高齢者の振る舞いに応じてコンテンツが一部変化する,また複数のユーザが参加することによる相互の楽しい気持ちを高めるインタフェースの実現B) 高齢者向けの3Dコンテンツデザイン手法の確立C) 高齢者の運動機能の分析を活用して健康科学の面からの体力運動機能の向上に向けた提案 を実現することを目的としている。本年度の研究実績は、以下である。 (1)高齢者の使いやすいコンテンツデザインの調査と事例研究の収集:本年度も引き続き,福祉工学関連分野,健康科学関連分野および,ユニバーサルデザインの領域の学術論文を収集,レビューした。本研究の基盤となる教育工学・健康科学・福祉工学の観点から見た教育用のメディアデザインのための理論的枠組みを探索した。 (2)改良した本システムの実現:24年度に行った予備実験の評価分析の結果に基づいて,コンテンツ,システムの改善点を明確にするとともに,拡張の可能性も検討し,改良システムの設計・開発と実装に取り組んだ。開発の焦点は,本実験において,高齢者の多様性に対応すること,人数が増え,時間も延びることを考慮した。 (3)高齢者を対象とした本実験・検証・分析:実験は,神戸大学において実施した。高齢者20名を被験者とした。本実験で得られた数量的データとしては,ユーザビリティの適否,コミュニケーションからの動機付け,画面デザインの効果,体力向上等の健康科学の観点から評価した。アンケート・ビデオ等のデータを検討し,有効性と改善点を明らかにした。自由記述等の主観的なデータは,テキストマイニング等の手法を用いて整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢者の使いやすいコンテンツデザインの調査と事例研究の収集は予定通り遂行できた。また改良した本システムの開発も予定通り終了した。またシステムを用いて、高齢者を対象とした本実験を行い、検証・分析を行った。本実験で得られた数量的データとしては,ユーザビリティの適否,コミュニケーションからの動機付け,画面デザインの効果,体力向上等の健康科学の観点から多面的に評価した。アンケート・ビデオ等のデータを検討し,有効性と改善点を明らかにした。予想以上にユーザが実験に参加したためと、多面的に評価するため、データの精査に時間がかかり、今年度国内の研究外にむけて、論文化することがまだ完全に遂行されていない。
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今後の研究の推進方策 |
最終研究成果は,日本教育工学会や情報処理学会,ヒューマンインタフェース学会など日本の学会の研究に関連する学会において公表し,議論を行う予定である。そこでの議論を踏まえて,さらに内容を精緻化させて,研究成果を幅広く学術論文や Web・電子媒体で発表する。国内では,情報処理学会,国際的には,ACMの学会であるACE等にも投稿を行い、多くの知見を得る。
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次年度の研究費の使用計画 |
共同研究者との連携が、成功し、実験のユーザが当初予定したいた人数よりも多く集まったので、実験データの分析評価に時間がかかり、国内の研究外にむけて、論文化し、広く成果を公表することがまだ完全に遂行されていない。 最終研究成果は,日本教育工学会や情報処理学会,ヒューマンインタフェース学会など日本の学会の研究に関連する学会において公表し,議論を行う予定である。そこでの議論を踏まえて,さらに内容を精緻化させて,研究成果を学術論文で発表する。国際的には,ACMの学会であるACE等にも投稿を行い、広く知見を得る。
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