研究課題/領域番号 |
24650571
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
鎌田 洋 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 教授 (20569884)
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キーワード | 双方向授業 / 画像処理 / カード |
研究概要 |
学校教育の一斉授業において,教員の問いかけに対して学生が選択的にカードを挙げた教室風景を画像処理して得た認識情報をもとに,教員と学生の双方向コミュニケーションを活性化する方式について研究を継続した.2年目は初年度の成果システムをもとに,認識精度向上方式の開発を行い,開発用システムの完成版構築とともに評価実験を行った. 初年度システムの入力部は,2台のカメラを教卓に離れて置いていたので,後ろの学生のカードが前の学生に重なる不具合と2台のカメラの中間部分を捉えられない問題があった.そこで,2台のカメラを向きだけ変えて3脚に固定する治具を開発して従来の問題を解消した.カードについては学生の指が黒枠にかかる場合にカードを認識できないので,カードのレイアウトを変更して持ち手部分をつけた.また,カードの色が赤,黄,青であったが,色相空間で等距離にある印刷の3原色であるマゼンタ,イエロー,シアンに変更し,色の識別尺度をユークリッド距離からマハラノビス距離に変更することにより,色の識別力を向上させた.画像処理については,照明むらがある場合に2値化処理が失敗することがあったため,2値化の閾値を任意の座標点について設定できるようにして,設定した点を頂点にした三角形分割により,他の点における2値化のしきい値を自動的に決定できるようにした. 完成した開発用システムを用いて,実際の授業に適用した.本システムを授業に適用した結果,教員は学生の理解度や学習に対する興味や意欲などの状況を確認しながら授業を進行できたので,授業運営が円滑になった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目の計画通り,開発用システムの完成版構築とともに認識精度向上方式の開発と評価実験を行えた.画像入力部とカード仕様,画像処理方式,色の識別方式の改良を行えた.また,実際の授業に適用して試行できた.このため,おおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、授業現場である教室での実証用システムを構築するとともに,実際の授業での運用方式の構築と最終評価実験を行う.このために,カードにプリンタ色以外の蛍光色や色上質紙を用いた比較実験を行い,実験結果を用いて,カードの仕様を確定する.
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度購入設備と既存の設備により,システムの研究開発と評価実験が可能であったため 実証用システムの構築と最終評価実験のために,必要な備品として,パーソナルコンピュータ,画像入力用機器を購入する.必要な仕様を指定してカードを購入する.その他,資料購入,出張旅費,学会参加のために使用する.
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