研究課題/領域番号 |
24650581
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
瀬戸口 明久 大阪市立大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (90419672)
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研究分担者 |
福永 真弓 大阪府立大学, 21世紀科学研究機構, 准教授 (70509207)
中島 弘二 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (90217703)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 環境史 / 生態学的帝国主義 |
研究概要 |
本年度は以下の2つの研究計画を実施した。 (1)基礎的な調査の実施 研究代表者および分担者は、それぞれ野生動物・漁業資源・森林について、資料収集を行い、本研究課題について予備的な研究を進めた。 (2)研究会の開催 第1回研究会(2012年7月29-30日、大阪市立大学)では、研究代表者・研究分担者・研究協力者の研究状況について紹介する報告を行い、問題意識を共有した。そのほか以下の2つの研究報告があった。橘セツ(神戸山手大学)プラントハンターと植物のトランスカルチャレーション:近現代の日本と英国の交流の視点から、渡邊洋之(京都大学)「ポスト生態学的帝国主義」を考える:ブルーギル(Lepomis macrochirus)の日本への移入を参照して 第2回研究会(2012年11月25-26日、伊勢国際ホテル)では、以下の2人の研究者をお招きして議論を行った。Kjell Ericson(Princeton University)人間と真珠貝の共同の産物:製品/モノとしての養殖真珠、赤嶺淳(名古屋市立大学)ジンベエザメのエコ・アイコン化と観光資源化のポリティクス――フィリピンの事例から。このほか御木本真珠島を訪問し、資料の保存状況や真珠養殖の歴史と現状について話をうかがった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎的な調査の実施および研究会の開催は、研究計画どおりに遂行され、研究実施計画はほぼ順調に達成されている。ただし平成24年度は海外の研究者との連携を十分に進めることが出来なかった。そのため平成25年度は国際学会等への参加が実施計画の中心となる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は前年度までの研究の進展を踏まえ、東アジアにおける生命科学と生態系変容について検討を加える。具体的な研究計画は以下の通りである。 (1)継続的な調査の実施:前年度の引き続き、研究代表者および分担者の調査を継続する。山階鳥類研究所(瀬戸口)、国立国会図書館(中島)、東北地方のフィールド調査(福永)に旅費を使用する。このほか各自の研究の進展を学会等で発表する。 (2)研究会の開催:前年度と同様、年2回、外部から4人程度の研究者を招いて研究会を行う。次年度は主に植民地を研究対象とする研究者を招き、本研究会のメンバーの研究成果を共有して、さらなる研究課題を検討する。 (3)海外の研究者との連携:第2回東アジア環境史学会(花蓮・台湾)でセッションを持って意見交換を行う。 以上のような活動を通じて、「東アジアにおける生態学的帝国主義」を見通すための枠組みを構築し、現在の生物多様性保全をめぐる諸問題を考察するための基盤となる歴史認識を提供する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし。
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