短期的、長期的な文化財の劣化過程を理解することはそれらを保存する上で重要である。本研究は文化財の展示期間中の温度、湿度の変動を評価し、保存科学の専門的知識が無くても劣化の可能性を推定することが可能なリアルタイム環境観測システムの開発を行った。この結果、学芸員によって運用されるこの環境観測システムは、屋内展示おける環境状態を管理するための有益な情報を提供できることが示唆された。また、Webサーバー上で24時間いつでも現況を監視することが可能な屋外用環境観測システムを開発した。このシステムは臼杵石仏群の冬場の凍結による被害緩和のための覆屋根とカーテンの効果を評価するために現地に設置された。
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