分子構造は不明であるが多くの赤外分光や熱分析のデータを有する琥珀を対象とし、示差熱天秤-光イオン化質量分析を行った。主産地の琥珀と出土琥珀について初めて実施する光イオン化法だけでなく従来の電子イオン化法と比較することでより詳細な同定を進めた。 その結果、従来から推測されているラブダン型ジテルペンの基本骨格が確認できた。さらに、それぞれの産地毎で再現性のよい結果が得られたが複雑なピークとなり全てを解析することは困難であることもわかった。また、劣化した琥珀も同様に分析を行ったが、より複雑なピークとなり、劣化による分子構造の変化は確認できたが劣化生成物の分子構造までは推定できなかった。
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