研究概要 |
地下温暖化が桜の開花にどのような影響を与えるかを明らかにするために、まず過去の桜開花の変化トレンドと、地温の経年変化トレンドを明らかにした。桜の開花は日本の103箇所の平均で過去50年で5日開花が早まっており、特に大都市の東京、大阪、名古屋でその開花早期化の傾向は強く、都市化によるヒートアイランド現象が大きな要因であることが明らかになった。地温の経年計測は1970年代で終了しているが、終了までの約30年間の平均をみると、桜も開花変化トレンドに最も相関性が高いのは、気温ではなく、深度50cmの地温であることが明らかになった。 各深度の地温と根域の状況、および桜の開花の関係を明らかにするために、桜の木の胸高直径、高さ、枝ぶりなどが似た3本の木の周辺で、深度5,20,50,100,150cmに地温計を設置し、気温と共に連続測定を行った。地温は深度とともに温度変化の振幅を減少しながら、位相が遅れる変化傾向を示した。3地点の同深度の地温にも違いがみられた。
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