温暖化に伴う地下温暖化現象が、桜の開花時期などのフェノロジーに与える影響について調査研究を行った。異なる深度の地中温度の連続測定と土壌水分等の地下環境の測定を行い、サクラの開花時期などとの関係を明らかにした。深度ごとの地温と開花時期との関係では、深度30㎝の地温が開花時期と最も相関関係があることが明らかになった。これは根域分布との関連性が示唆された。また、土壌水分や水質と桜の開花時期とには、明瞭な関係性を見出すことはできなかった。地下温暖化現象は世界的にみられる現象であり、これがフェノロジーに与える影響に関してはまだ不明な点が多い。今後の課題として、コントロール実験などを行うことにより、定量的に要因を評価する事が必要である。
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