マウス初期胚に由来するES細胞や、胚由来で腫瘍の性質を持つEC細胞などでは、1細胞から増殖させた細胞クローンであっても異質な細胞の出現によって不均一な細胞集団を形成することが知られている。しかし、このような異質な細胞の出現機構はよく判っていない。我々はEC細胞集団中に不活性X染色体(Xi)が再活性化されたHAT耐性(HAT-R)細胞が出現する機構について解析を行い、HAT-R細胞の出現には、(1) 幹細胞的な性質を示す前駆細胞の確率的出現と、(2) 続いて起きる前駆細胞の非対称分裂が関与していることを明らかにした。非対称分裂後に再活性化能が付与される機構については更に検討が必要である。
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