ゴルジ体のホスファチジルイノシトール4リン酸(PI4P)ががんの悪性化において上皮間葉転換を制御することを明らかにした。 乳がん細胞株でゴルジ体のPI4P量を増加させると上皮間葉転換のような現象が見られた。ゴルジ体のPI4P量を減少させた時にはこれとは逆の現象が見られた。また、乳がん細胞株と乳がん患者サンプルにおいてがんの悪性度と比例してゴルジ体のPI4P量が増加していることを明らかにした。さらに、PI4Pによる上皮間葉転換制御にはゴルジ体に局在するPI4P結合タンパク質であるGOLPH3が関与することを明らかにした。 以上から、PI4Pはがんの悪性化において重要な役割を果たしていることを示した。
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