ATMキナーゼは、主にDNA二重鎖切断部位(DSB)で活性化し機能する。本研究において我々は、ATMが染色体非ストレス時(DSB非存在下)のS期において、複製開始制御因子Cdt1の分解を制御していることを明らかにした。今までに得られた知見をまとめると、以下のようになる。① ATMによるCdt1分解制御にはキナーゼ活性が必要である。② MRN複合体もこの制御に必要であろう。③ Akt抑制、あるいはSkp2抑制は、ATM抑制と同じくCdt1分解を抑制した。よって、この新たなATM機能は、少なくとも部分的にはATM-Akt-Skp2経路を介していると考えられる。
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