研究課題/領域番号 |
24650645
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田原 栄俊 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院(薬), 教授 (00271065)
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研究分担者 |
落谷 孝広 独立行政法人国立がん研究センター研究所, 分子細胞治療研究分野, 分野長 (60192530)
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キーワード | ドラッグデリバリー / がん / マイクロRNA / 核酸医薬 |
研究概要 |
分泌型miRNA輸送体として細胞外小胞であるエクソソームを用いるために、細胞外小胞(EV)を高分泌する細胞系のスクリーニングを実施した。線維芽細胞、上皮系細胞、がん細胞、マイクロファージなどを用いて培養上清に存在するEVの量をナノパーティクル計測器qNANOを用いて、粒子径分布、細胞あたりのEV分泌量を計測したところ、マイクロファージが他の細胞に比較して高分泌していることを見いだした。マイクロファージや線維芽細胞から回収したEVを可視化するためにエクソソームマーカーの一つであるCD63にGFPを融合した CD63-GFPベクターを細胞内に導入して、CD63陽性のEVがGFPにより可視化できる系を構築した。これらの細胞の培養上清から回収し、乳癌細胞、膵がん細胞に添加したところ高効率に標的細胞にGFPが検出された。また、in vivoの実験では、ルシフェラーゼ遺伝子を高発現した乳癌高転移がん細胞を膵臓に移植し、膵臓に腫瘍を形成して膵臓でのルシフェラーゼの蛍光を確認した。このマウスに、リポソームに封入したルシフェラーゼに対するsiRNAを腹腔内に投与し、膵臓がんでのルシフェラーゼ遺伝子の発現をRT-PCRにより確認した。その結果、マウス腹腔内にルシフェラーゼに対するsiRNAを導入して、ルシフェラーゼに対するsiRNAを腹腔内に投与したマウスの膵臓においてルシフェラーゼの発現の減弱が確認された。また、腹腔内マクロファーを活性化させるためにグリセロールを同時と投与すると、その効果が促進された。以上の結果らか、in vivoにおいて、細胞外小胞をにDDSを応用した核酸医薬のデリバリーにマクロファージ誘導性のエクソソームDDSが有望である可能性が示唆された。
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