研究課題/領域番号 |
24650647
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
高橋 克之 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 薬剤部職員 (10597751)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 抗癌剤耐性 / シャペロン / プロテオミクス |
研究概要 |
奏功する抗癌剤の長期投与により耐性の獲得という新たな問題が生じている。抗癌剤耐性に関わる分子を同定するため、多くの解析が行われているが、標的となる分子の同定は困難を極めている。そこでストレス応答蛋白質であり、ストレス時、新生蛋白質や変性蛋白質に対しシャペロン機能を有するHsp72に着目し、Hsp72を標的としたインタラクトーム解析を行った。初年度はスキルス胃癌細胞株(OCUM-2M)とそれより樹立した抗癌剤耐性株を抗癌剤暴露し、Hsp72結合分子を同定、感受性株と比較することで抗癌剤暴露によるストレス回避反応に寄与する分子を同定することを目的とした。 耐性においてHsp72の重要性を検証するため、感受性株および耐性株のHsp72発現量を検証した。その結果、oxaliplatin耐性株は感受性株と比較し、Hsp72の発現亢進が認められた。またsiRNAを用いHsp72の発現を抑制した結果、耐性株IC50の有意な低下が認められた。これらの結果より、Hsp72を標的としたインタラクトーム解析が耐性解除薬標的分子探索に有効であることが裏付けられた。次に抗Hsp72抗体結合アフィニティービーズを用いた精製の至適条件を検討した。検討後、感受性株およびoxaliplatin耐性株をoxaliplatinに暴露し、抗Hsp72抗体を用い精製した。その後、QSTAR Elite LC/MS/MS Systemを用い同定した。その結果、耐性株非暴露群で21種、耐性株暴露群で22種、両群共通蛋白質7種が同定された。これら蛋白質の中より5種類の蛋白質のsiRNAを感受性株および耐性株に導入し、IC50を評価、測定することで耐性解除薬標的分子としての妥当性を検証した。その結果、IC50の低下が見られ、耐性解除薬標的分子となりうる分子を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Hsp72 結合分子の同定および同定分子の機能阻害により、耐性解除薬の標的となりうる分子を見出しており、順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度同定した蛋白質の評価を行う。また新たに樹立した抗癌剤耐性株においても耐性解除薬標的分子としての妥当性を検証し、抗癌剤特異性や癌腫特異性を見出す。さらにin vivoでの耐性解除薬標的分子としての妥当性を検証する。具体的にはBALB/C系雌性ヌードマウス背部に各薬剤耐性株およびsiRNAにて標的候補分子の機能を阻害した細胞を移植する。腫瘍の定着を認め、一定サイズとなったのを確認後、抗癌剤による治療を開始し、連日腫瘍径を測定することで、耐性解除薬標的分子としての妥当性を評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞培養試薬、試薬・薬品、実験動物・飼料に多くの費用を計上している。 また最終年度のため、成果報告費用を計上している。
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