近年、世界各地の高山帯で植物群集の変化が報告されるようになった。これらの変化は過去の記録があるからこそ検出できるのであり、多くの高山地域では変化の有無を判断する科学的な調査が不足している。この不足を補えるのは、唯一過去に撮影された写真であり、写真は調査記録に代わる客観的な記録となりえる。そして過去に撮った写真と最近撮った写真の比較が出来れば、植生の変化を検討することが可能となる。本研究では写真を活用した植生変化の解析手法を確立することを目的とする。 平成26年度はこれまで収集した写真のとりまとめを行い、山岳域での植生変化は人為的な関与の変化、自然災害、シカの個体群密度の増加といったことが植生変化の一因であることを明らかにした。
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