本研究では、海水表面を覆う薄い有機物の膜(以下SMLと略す)に関して、SMLとそれ直下のバルク海水中の吸光度および有機炭素濃度を測定した結果から、SML中でそれぞれ約1.3から2倍高いことを明らかにした。次に、SMLおよびバルク海水ジカルボン酸を高速液体クロマトグラフィーを用いて、検出する方法について諸条件を変えながら検討したが、海水に多く含まれる塩分によって、大きな妨害を受けるため、前処理が必要であることが明らかとなった。さらに、ジカルボン酸の生成に重要なOHラジカルの生成では、Fe(II)と過酸化水素の反応であるフェントン反応から生成されるOHラジカルがほとんどないことが明らかとなった。
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