次世代シーケンサーを用いた薬剤耐性遺伝子の網羅的検出系を下水サンプルへ適用し、下水処理場内での薬剤耐性遺伝子の種類と数の変化を調べた。その結果、薬剤耐性遺伝子の種類と数が下水処理に伴い減少していることが確認できた。流入下水では115種類の薬剤耐性遺伝子が検出されたが、二次処理水では91種類に減少していた。このように、下水処理過程での薬剤耐性遺伝子の減少は確認できたが、その一方で放流水からも95種類の薬剤耐性遺伝子が検出されており、下水処理場から環境中へ遺伝子情報が拡散している可能性が危惧された。このことは、河川流下過程における薬剤耐性遺伝子の種類と検出数の比較からも示唆された。
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