本研究では,小水力発電の減少が生態系に与える影響を定量的に評価した。 ①加地川(取水率50%)において,減水による底生動物現存量,及び生物の群集構造への影響はなかった.加茂川(取水率78%)において,減水によってハビタットによっては減水区間にて底生動物個体量,及び分類群数が減少した。②減水により高流速地点が消失し,流速が速い,飛沫帯の発生するハビタットの減少,そしてそのようなハビタットを好む種の現存量低下につながる.③鳥類に着目すると,夏季に比べ,平常流量の少ない冬季において取水による減水の影響が大きくなる可能性がある.
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