岩手県大槌町を中心に、流域全体にわたり地表水と地下水を約300地点で採取し、3種類の安定同位体を含め各種の水質項目を分析した。分析結果を水質マップとして表現することにより、降水や地質、人間活動の影響評価に加えて、降水と地表水、地下水、湧水のつながりを視覚化できた。研究成果は、市民講演会などの社会還元を通して、同町沿岸域の湧水保全計画に反映されると共に、新たなイトヨ研究が開始されている。市民と協働した水質マップ作成は、福井県大野市など他地域でも展開されており、フューチャーアースに代表される研究と教育、利害関係者との統合を目指す今後の地球環境研究において有効な手法と考えている。
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