研究課題/領域番号 |
24651036
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
外岡 豊 埼玉大学, 経済学部, 教授 (00282418)
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研究分担者 |
桑子 敏雄 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (30134422)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 環境と社会 / 持続可能社会 / 温室効果ガス / 経済社会システム / エネルギー需要 / 気候変動 / 環境行政 / エネルギー政策 |
研究概要 |
気候変動対策や持続可能な社会への移行について環境対策、環境政策的な側面から日本の将来シナリオを描くに当たって、その基礎となる経済、社会、技術、国土利用、国際関係の姿を具体的に想定しないと定量的な分析ができない。そこで、日本の社会像とその将来を分析するため生活に関する経年データを分析し、コーホート解析などの手法でモデル化し将来(基礎動向)予測を行っている。その基礎となる社会、経済の方向性、国際的な経済情勢と歴史動向について定性的な検討を行い、東京と地方、都市と農山村、中心市街地と郊外、人口的土地利用と山林、自然の関係、住宅、非住宅の建築のあり方等、国土利用の構造について多角的に検討している。 経済社会像の想定のもと、人口、世帯数、住宅様式、生活需要物資消費量、産業生産の原材料投入、建築物と都市基盤施設の資本形成等に必要な物資量と、その誘発需要を産業連関表を用いて推計し、鉄鋼、セメント、木材等の将来生産需要も推計している。また再生可能エネルギー導入を含むエネルギー需給についても検討している。 民間私有資産としての建築物も都市の構成物としてその経済価値や資源消費が国民経済を通じて社会資本的な意味も持つものとして捕らえ直し、長期的な都市構築のあり方を再検討する研究会を日本建築学会内の特別研究として立ち上げたが、そこでの議論は本研究の定性的な検討に役立っている。 平行して実施してきた気候変動対策評価指標の基礎として市区町村別CO2排出実態データの整備を行って来たが、その経年動向から将来社会像を定量的に予測するための基礎解析を行っている。 また環境NGOと日本の温室効果ガス排出削減のシナリオ分析を開始したが、その検討の基礎としても本研究の中間成果を応用している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
課題が難しい。政府統計が簡略化されたり、データ保存様式が変更されたりして効率的なデータ整備の障害になっているため定量分析のデータ整備作業が遅れがちである。
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今後の研究の推進方策 |
定性的な検討結果の記述と、経年動向の定量的な分析をもとに将来社会経済動向をできるだけ具体的にシナリオ分析を行う。平行して各エネルギー需要部門別のエネルギー需要データとエネルギー利用技術動向と再生可能エネルギーの技術と普及の動向もシナリオ分析し、日本のエネルギー政策のあり方も同時に検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
定量データ解析の基礎データ整備にあたり、データ処理手法に長けた研究員の長時間作業が必要で、予想以上にその人件費がかかりそうなので、他の支出を抑制しつつ、データ整備作業を優先して作業を進める。
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