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2012 年度 実施状況報告書

放射性ヨウ素による内部被ばく影響の分子イメージングによる解析・評価

研究課題

研究課題/領域番号 24651050
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関長崎大学

研究代表者

松田 尚樹  長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 教授 (00304973)

研究分担者 工藤 崇  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20330300)
吉田 正博  長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 助教 (50264247)
中山 守雄  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60164373)
井原 誠  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60175213)
岡市 協生  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80124874)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード内部被ばく / 放射性ヨウ素 / 分子イメージング / 福島原発事故
研究概要

放射性ヨウ素による健康リスク管理と制御のためには、正確な生物応答の検出と線量測定に基づき内部被ばく影響を統合的に評価、解析することが極めて重要である。本研究では、放射性ヨウ素の体内取り込みによる内部被ばくの線量とその影響の関係を、分子イメージング技術を用いてリアルタイムに検出することを試みる。平成24年6月より小動物用PET/SPECTの使用が可能となり、ファントムを用いた校正に続き、マウス及びラットにおけるF-18/PET、Tc-99m/SPECT及びI-123/SPECTの至適撮像条件を決定した。一方、I-131/SPECTについては撮像条件設定中である。
外部全身照射時の線量評価も完了したが、内部被ばくについては、放射線応答遺伝子群の予備検討と合わせて培養甲状腺細胞を用いたin vitro系をまず用いることとし、ラット甲状腺由来PCCL-3細胞をI-131 NaI(1.85~15MBq)の共存下で培養し、I-131の細胞内取り込みと放出のカイネティクス、内部被ばくによる細胞生存性変化、および応答するシグナル分子群を調べた。その結果、細胞内取り込みは速やかにTSH濃度依存的に増加し、30分培養後にピークに達し、その後、徐々に減少した。甲状腺細胞の対照として用いたヒト表皮由来HaCaT細胞では、I-131取込みは確認されなかった。一方、effluxは放出開始5分後に50%、10分後には80%が放出されていた。この条件で、DNA二本差切断部位に集積するリン酸化ヒストンH2A.Xと53BP1の共局在を免疫蛍光染色法により確認し、それに伴い細胞生存率も濃度依存的に低下した。またp53のリン酸化(ser15)も確認したが、MAPK系に大きな変化は見られなかった。この照射条件における細胞の照射線量をラジオフォトルミネセンスにより再検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

小動物分子イメージング装置を設置する施設の放射線障害防止法上の要件が整うための期間と、設置後のファントム校正、さらに装置のオペレーション技術の取得のために時間を要したため、小動物分子イメージングの撮像条件設定が大幅に遅れた。その間、in vitroにおける基礎検討を進めことができたため、全体としては将来の推進に繋がるデータを得たと考える。

今後の研究の推進方策

放射線照射によるがん化の[F-18]FDGによる継続的検出検出を確立する。また、I-131投与マウスのSPECTによる撮像の可能性について詳細に検討し、年度内には結論を得る。この2点を最重点課題とし、同時にin vitroの分子レベル検討を進める。

次年度の研究費の使用計画

研究費は主として放射性同位元素([F-18]FDG、[I-131]NaI)、及び実験動物の購入経費に充てる。また、イメージング機器の安定したオペレーション及び撮像画像整理のための短期技能補佐員(3ヶ月程度)の雇用も予定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Assessment of internal exposure doses in Fukushima bu a whole body counter within one month after the nuclear power plant accident.2013

    • 著者名/発表者名
      Matsuda N, Kumagai A, Ohtsuru A, Morita N, Miura M, Yoshida M, Kudo T, Takamura N, Yamashita S
    • 雑誌名

      Radiation Research

      巻: 179(6) ページ: in press

    • DOI

      10.1667/RR3232.1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Initial activities of a radiation emergency medical assistance team to Fukushima from Nagasaki2013

    • 著者名/発表者名
      Matsuda N, Yoshida K, Nakashima K, Iwatake S, Morita N, Ohba T, Yusa T, Kumagai A, Ohtsuru A
    • 雑誌名

      Radiation Measurements

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1016/j.radmeas.2013.01.026

    • 査読あり
  • [学会発表] 福島原発事故-残された健康リスクのアセスメントとコントロール2013

    • 著者名/発表者名
      松田尚樹
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会シンポジウム
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130328-20130330
    • 招待講演
  • [学会発表] ラット甲状腺由来PCCL-3細胞による[131I]NaI取込みとその作用について2012

    • 著者名/発表者名
      三浦美和, 花谷拓哉, 高尾秀明, 吉田正博, 松田尚樹
    • 学会等名
      日本放射線安全管理学会第11回学術大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20121204-20121206
  • [学会発表] Radiation crisis in Fukushima, 20112012

    • 著者名/発表者名
      matsuda N
    • 学会等名
      Union of Risk Management for Preventive Medicine, World Congress
    • 発表場所
      London
    • 年月日
      20120908-20120909
    • 招待講演
  • [学会発表] Retrospective assessment of internal doses for short term visitors to Fukushima within one month after the nuclear power plant accident2012

    • 著者名/発表者名
      Matsuda N
    • 学会等名
      The first NIRS symposium on reconstruction of early internal dose due to the TEPCO Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      20120710-20120711
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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