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2013 年度 実績報告書

カドミウムが引き起こす新規機構による小胞体ストレス

研究課題

研究課題/領域番号 24651058
研究機関東北大学

研究代表者

黄 基旭  東北大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (00344680)

キーワードカドミウム / 小胞体ストレス
研究概要

昨年度までの検討により、カドミウムは小胞体関連蛋白質分解系(ERAD)による基質蛋白質の分解を抑制することで小胞体ストレスを引き起こしている可能性が示唆されている。ERADは小胞体内で生じたミスフォールド蛋白質の分解系であり、ミスフォールドされた蛋白質は、①ユビキチン化酵素によってユビキチン化され、②VCP複合体によって小胞体から細胞質側へ引き出される。その後、③脱糖鎖酵素によって脱糖鎖され、④プロテアソームへリクルートされた後に、⑤プロテアソームによって分解される。そこで、カドミウムのERAD機能阻害作用に関わる分子機構を解明するために、カドミウムがERADの各ステップに与える影響を検討した。その結果、カドミウムはERAD基質蛋白質であるTCRαユビキチン化、小胞体から細胞質側への引き出し、プロテアソームへのリクルートおよびプロテアソーム活性には影響を与えなかった。小胞体内から細胞質側に引き出された基質蛋白質がプロテアソームで分解されるためには、脱糖鎖酵素であるPNGaseによって蛋白質の糖鎖が解離される必要があるという報告がある。そこで、カドミウム処理がPNGaseによるTCRαの脱糖鎖に与える影響を検討したところ、カドミウムによる脱糖鎖酵素PNGaseの活性の抑制が認められた。また、PNGase高発現細胞はカドミウムに対して強い耐性を示した。以上のことから、カドミウムはPNGase活性を抑制することによってERAD機能を阻害しており、この作用はカドミウムによる小胞体ストレス誘導に関与していることが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Analysis of Molecular Mechanisms Involved in Induction of Endoplasmic Reticulum Stress by Cadmium2014

    • 著者名/発表者名
      Gi-Wook Hwang, Ke Du, Akira Naganuma
    • 学会等名
      53th Annual Meeting of the Society of Toxicology
    • 発表場所
      Pheonix(米国)
    • 年月日
      20140325-20140325
  • [学会発表] Investigation of the Mechanisms Involved in Cadmium-induced Endoplasmic Reticulum Stress2013

    • 著者名/発表者名
      Gi-Wook Hwang
    • 学会等名
      The 29th Annual Meeting of KSOT/KEMS
    • 発表場所
      Buyeo(韓国)
    • 年月日
      20131101-20131101
    • 招待講演
  • [学会発表] ユビキチンリガーゼFBXO6によるカドミウム毒性軽減作用とその分子機構2013

    • 著者名/発表者名
      黄基旭、杜可、永沼章
    • 学会等名
      メタルバイオサイエンス研究会2013
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      2013-09-27
  • [学会発表] カドミウムによる小胞体ストレス誘導と小胞体関連分解系との関わり2013

    • 著者名/発表者名
      杜可、永沼章、黄基旭
    • 学会等名
      メタルバイオサイエンス研究会2013
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      2013-09-27
  • [備考] 東北大学大学院薬学研究科生体防御薬学分野

    • URL

      http://www.pharm.tohoku.ac.jp/~seitai/seitai-index.html

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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