環境化学物質の中枢神経系に対する影響は直接これらの物質が神経系細胞に作用することによって引き起こされると考えられているが、これらの物質の脳への移行やその移行を司る血液脳関門(BBB)に対する影響は未だ不明である。本研究はBBBに対する化学物質影響について、BBBのin vitro構築モデルを用いて検証した。 ダイオキシンを曝露した結果、ダイオキシンがBBBを容易に通過し、用量依存的に薬物代謝酵素の発現が増加していることを認めた。また、曝露により、BBBの透過性が亢進していることを認めた。 これらの結果から環境化学物質の一部は神経系に直接作用するだけでなく、BBBにも影響を及ぼすことが示された。
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