研究課題/領域番号 |
24651066
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
官 国清 弘前大学, 北日本新エネルギー研究所, 准教授 (90573618)
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研究分担者 |
阿布 里提 弘前大学, 北日本新エネルギー研究所, 教授 (70565374)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
(1) 新規化学沈着法を開発し、大面積の三次元多孔質構造の炭素フェルト(14 cm×7.5 cm)上にヘキサシアノ鉄酸ニッケル(NiHCF)膜を被覆した。得られた電気活性膜を用い、非放射線セシウムを含有する模擬溶液を対象として、連続吸脱着実験によりセシウムイオンの分離特性を評価した。模擬溶液に対して、セシウムイオン吸着特性と操作電圧や、セシウムイオンの初期濃度や、溶液のpH値などとの関係を調べた。結果として、模擬溶液中の濃度セシウム濃度が低い場合、イオンの分離効率は操作電圧と大きく依存していることが分かった。10~30 mg/L濃度範囲内で、イオンの分離効率はセシウムイオンの初期濃度に大きく影響されたことが見られなかった。模擬溶液のpH値は約4.5とした時、最大なイオン分離効率を得られた。また、この膜に対して、セシウムイオンの吸着動力学特性を明らかにし、セシウムイオンに対して吸着速度はLagergren一次吸着反応速度モデルと一致した。また、1000回循環使用した結果、電気活性膜の性能はわずか5%しか低下しなかった。 (2) 新規パルス電着法によるNiHCF膜を炭素繊維表面に被覆する実験を行っている。印加電圧Von = 0.7 V、Voff = 0 V 、電圧印加時間ton =toff = 0.5 s、 パルス周期数=5000回時、約400 nm 厚さのNiHCF膜を炭素繊維表面に形成されたことを確認した。膜の厚さは印加電圧の大小やパルス周期数などによって調整できることも明らかにした。この膜は今後セシウムイオン吸脱着実験に使用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに研究は予定の通り進んでいる。特に、炭素フェルトに形成されたNiHCF電気活性膜に対して、セシウムイオンの吸着動力学特性を明らかにした。しかし、炭素繊維表面にNiHCF膜を被覆した時、密接的かつ均一的に担持できるため、炭素繊維表面の処理方法はいろいろな手法を考えましたが、また有効な方法が見つけなかった。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 電極表面の新規修飾手法及び導電中間層の挿入手法の開発よりイオン交換膜と電極の密着性を改善する。 (2) 導電性ポリマー電気活性材料を用い、NiHCF/ポリマー複合電気活性膜を炭素繊維表面に形成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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