研究課題/領域番号 |
24651073
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
梅田 実 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20323066)
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研究分担者 |
白仁田 沙代子 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (90580994)
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キーワード | 二酸化炭素還元 / 電極触媒 / 膜電極接合体 / 燃料電池単セル / 燃料電池発電 / 水素二酸化炭素燃料電池 / 質量分析 / 水素 |
研究概要 |
二酸化炭素の理論電解電位は-0.2~+0.2 V vs NHEであるのに対して,実質的には1.5~2 Vの大きな過電圧を要することが知られている。当研究グループは,膜電極接合体を用いた場合に,ほぼ理論電解電位で二酸化炭素の還元を生ずることを見出した。この知見を基に,二酸化炭素を反応物として使用する燃料電池への展開を図っている。 まず,固体高分子形電解セルにインライン接続した質量分析装置を加圧120℃の環境下でも行えるようにした。Pt/C電極触媒を有する膜電極接合体を組み込んだ単セルの運転条件をパラメータとして変化させ,それに対する生成物の変化を調べた。その結果,微量に生成するメタンとメタノールの温度依存性は大きな差が認められなかった。 次に,電極触媒をPt-Ru/CおよびRu/Cに変えた膜電極接合体を作製し,それを単セルに組み込み二酸化炭素ガス還元生成物の分析を行った。単セル温度を室温から100℃の間で変え,電極電位に対する排出物の分析を行った。温度上昇に伴い,メタンとメタノールの生成量は増加し,また電位が0~+0.25 V vs DHE の範囲で大差は認められなかった。電極触媒の特性は,Pt-Ru/C≒Ru/C>Pt/Cであった。 また,電極触媒にPt-Ru/Cを用いた膜電極接合体を単セルに組み込み,アノードに水素ガス,カソードに二酸化炭素ガスを導入しながら燃料電池としての発電試験を行った。単セル温度を室温から100℃の間で変えてI-VならびにI-P特性を測定した。結果的に,Pt/Cに比べてPt-Ru/Cを用いた場合,燃料電池発電特性が約3倍向上した。これは上述した二酸化炭素特性が向上することで,燃料電池のカソード性能が向上し,それが発電特性を引き上げたと考察される。
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