研究課題/領域番号 |
24651074
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
志村 浩己 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (40303416)
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研究分担者 |
古屋 文彦 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (90456450)
一條 昌志 山梨大学, 医学部附属病院, 医員 (50436854)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 放射性物質 / 除染 / 微細緑藻類 / 甲状腺癌 |
研究概要 |
微細緑藻類バイノスによる放射性ヨウ素,放射性セシウム,放射性ストロンチウムを取り込む能力を定量した結果,ストロンチウム-90は最大6.73 GBq/g・binos,セシウム-137は最大3.44 GBq/g ・binos,ヨウ素は1.52 TBq/g・binosであることを明らかにした。さらに,二次元質量分析法によりストロンチウムとセシウムは細胞外マトリックスに,ヨウ素は細胞内に集積することを明らかにした。上記実績についてはPLoS One誌に論文発表した。 一方,バイノスが直径10μmと非常に微細であるため,実際の除染においては遠心分離等の煩雑なステップを要する。道路除染により発生する汚染水の除染をバイノスを用いて容易に行う事を目的として,バイノスを死滅処理した後,凝集剤を混和したフロックを作成し,実際の道路除染において実験を行ったところ,放射性物質の99.8%を除去しうることを明らかにした(新聞報道)。その成果から,実際の環境所染事業において,本技術の利用が開始された。汚染土壌の除染方法に関しては上記フロックを用いた方法を現在検討中である。 また,放射性物質取り込み促進遺伝子を導入した形質転換バイノス株の作製に向けた予備的実験(ライブラリー作製等)に関しては現在進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に計画した除染方法の開発については,ほぼ目的を達成し,平成24年度中に実際の除染事業(福島県伊達市の除染事業等)での利用を開始できた。放射性物質取り込み促進遺伝子を導入した形質転換バイノス株の作製に向けた予備的実験(ライブラリー作製等)は現在進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究成果を発展させるため,微細緑藻類バイノスを用いた除染技術のさらなる開発を行うと共に,放射性物質取り込み機序の解明を推進し,形質転換バイノス株の樹立を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし。
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