2011年3月11日の福島第一原発の事故により、放射性セシウムの除去が喫緊の課題となっている。本研究では、セシウムイオンに対して高い捕捉能と選択性を有する有機環状分子を薄膜化し、錯形成・凝集共沈により除去する処理法を提案する。2012年は候補化合物と錯形成能をESI-MS-CAD法によって評価し、有機環状化合物を分子設計した。2013年はこの化合物を量合成しポリアミド化した。ポリアミド薄膜に関して、QCM法にてセシウムイオン捕捉能、IPC-MS法にて会合定数、分配係数を得た。無機系セシウムイオン吸着材と比較して選択性は劣るものの捕捉能は同等であり焼却処理による減容の効果が大いに期待できる。
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