研究分担者 |
高浪 龍平 大阪産業大学, 工学部, 契約助手 (00440933)
谷口 省吾 大阪産業大学, 工学部, 契約助手 (40425054)
濱崎 竜英 大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (50340617)
RABINDRA Giri 大阪産業大学, 新産業研究開発センター, 客員講師 (70568493)
藤長 愛一郎 大阪産業大学, 工学部, 准教授 (40455150)
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研究概要 |
本研究では、バイオマスからのエネルギー回収として、サトウキビ由来の糖蜜を利用するバイオエタノール生産から排出される糖蜜廃液をさらに未利用有機物として、微生物燃料電池で利用するシステム構築を目的とした。 糖蜜廃液の成分分析を行ったところ、BOD 17,000mg/L, COD 303,000 mg/L, 全窒素45,000 mg/L, 全リン47,000mg/L、色度256,000mg/L, pH4.9のきわめて高濃度の有機物が含まれることが分かった。糖蜜廃液はUASB処理される場合があるが、処理後でも極めて高濃度な有機成分が残留する。また、色度が極めて高く、メラノイジンと推定される高分子物質が存在し、COD源となっていると推定された。 また、糖蜜廃液の利用を念頭に置いた微生物燃料電池について検討した。負極水槽をブドウ糖水溶液とした二槽式曝気セルを用いた。1000Ωの抵抗につなげ、発生電流を測定した結果、40日間で120μAに達した。45日間での電気量は0.04Ahであった。CODは2000mg/Lから100mg/Lに減少した。 次に、電極材料を比較する実験では、負極を①炭素繊維、②グラファイト繊維、③グラファイトシートを用いて比較したところ、グラファイト繊維が最も発電に有利であるが、発電に係わる微生物の付着や接触状態が重要であることが分かった。また、曝気を行わない一槽式セルによって実験した結果、二槽式曝気セルと遜色ない発電が可能であることも分かった。さらに、pHの影響をみる実験では、負極溶液をpH4~9にしたところ、pH 8で発電量が最も大きくなり、pH 5以下になると極端に低下した。よって、通常の有機酸発酵が進み、pHが5以下になると微生物燃料電池の性能を下げることが分かった。以上、得られた知見は、微生物燃料電池による廃液中の糖成分の処理設計の際の重要な因子となる。
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