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2013 年度 実績報告書

未知環境微生物群の機能強化による重金属汚染土壌のオンサイト修復技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24651089
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

堀 知行  独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (20509533)

キーワード環境技術 / 水質汚濁・土壌汚染防止・ 浄化 / 生物圏現象 / 地球化学 / 微生物
研究概要

本研究では、セレン汚染土壌の還元(Se6+[拡散性・有毒]→Se4+[非拡散性・有毒]→Se(0)[非拡散性・低毒性])に関与する未知環境微生物群の実体を明らかにし、当該汚染土壌の分子診断法および修復活性化法を提案することを目指す。本年度は、重金属汚染サイトでセレン還元に関与する環境微生物群を次世代シーククエンスにより同定した。セレン汚染された土壌を前培養に供し、内在する微生物群の代謝を活性化させた。さらにSe6+を電子受容体、酢酸を電子供与体とする嫌気培養試験を行った。対照区として、1. オートクレーブ滅菌土壌に同様に基質を添加した系、2. 電子供与体は加えるものの電子受容体を添加しない系を用意した。セレンの酸化還元動態の把握にはICP-AESと化学還元処理を組み合わせた方法を用い、酢酸濃度の変化はHPLCにより測定した。その結果、対照区以外の土壌においてSe6+の減少が観察され、それに連動してSe4+の上昇と酢酸の減少が起こった。さらに生成されたSe4+は次第に減少していき培養終了時には検出限界以下となった。対照区では、そのような変化が見られないことから、セレンは土壌に内在する微生物により還元されることが示された。培養土壌を経時的に採取し、DNA抽出後、16S rRNAを標的としたPCRおよび次世代シークエンスに供したところ、セレン還元が観察される時期に脱ハロ呼吸細菌として知られる新規なDechloromonas属細菌群が大幅に増加した。さらにBacillus属細菌も対照区と比べ有意に上昇していた。これまでにBacillus属細菌の一種がセレンの還元・回収に有効であることが報告されている。本研究により、新規な環境微生物群が重金属汚染土壌におけるセレン還元に関与しており、当該土壌の分子診断法や修復活性化法の確立に重要であることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Biodegradation potential of organically enriched sediments under sulfate- and iron-reducing conditions as revealed by the 16S rRNA deep sequencing2014

    • 著者名/発表者名
      堀知行, 木村真人, 青柳智, Navarro R. Ronald, 尾形敦, 迫田章義, 片山葉子, 高崎みつる
    • 雑誌名

      J. water environ. technol.

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [学会発表] Effects of supplementation with sulfate and lepidocrocite on the composition and activity of microbial communities in Hedoro (organically enriched sediment)2013

    • 著者名/発表者名
      堀知行, 木村真人, 青柳智, Navarro R. Ronald, 尾形敦, 迫田章義, 片山葉子, 高崎みつる
    • 学会等名
      The 22th Korea-Japan Symposium on Water Environment 2013; Current and Future Sewage Treatment Technology
    • 発表場所
      テグ(韓国)
    • 年月日
      20131021-20131022
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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