リグニンは、今日の主要な未利用バイオマスのひとつであり、効果的な有効利用法の開発が望まれている。我々は、微生物機能を利用したリグニンおよび低分子リグニンの高付加価値物質への変換に取り組んでおり、今回、低分子リグニンの一種であるシリングアルデヒド(SYAL)を基質として、これを変換、重合して有機蛍光物質を生産するPseudomonas sp. ITH-SA-1を単離した。同菌の蛍光物質生産の代謝経路や生産条件の検討から、本蛍光物質は、SYALの酸化、脱メチル化により3-O-メチルガリック酸(3-MGA)を経て、その後重合することにより生産されることが明らかとなった。
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