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2014 年度 実績報告書

マイクロバンチング不安定性の起源を探る電子ビームの縦方向位相空間の直接観測

研究課題

研究課題/領域番号 24651096
研究機関東北大学

研究代表者

濱 広幸  東北大学, 電子光理学研究センター, 教授 (70198795)

研究分担者 原 徹  独立行政法人理化学研究所, 先端ビームチーム, チームリーダー (00280727)
渡川 和晃  独立行政法人理化学研究所, 先端ビームチーム, 先任研究員 (00342816)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードチェレンコフ光 / 縦方向位相空間分布 / マイクロバンチング不安定性
研究実績の概要

本研究は、電子バンチ内の電子分布の揺らぎが自らのコヒーレント放射によって増幅されるとされている、マイクロバンチング不安定性の機嫌を探ることを目的として、電子銃からの電子ビームの縦方向位相空間を直接測定する特殊なビーム診断システムを確立する開発研究である。電子銃からの電子ビームのエネルギーは一般に直流型では数100keV、高周波電子銃でも2、3MeVであり、電子の速度は光速に比べて僅かに遅い。チェレンコフ放射の放出角度が荷電粒子の速度(運動量)に依存するので、光の放出角度と放出時間を精度良く測定することができれば縦方向位相空間を知ることができる。
本研究では、チェレンコフ光を一点に集光する特殊な非線形光学ミラー(亀甲羅鏡)を考案した。電子ビームはエネルギー広がり(速度広がり)を持っているため、集光されたチェレンコフ光は線状に収束される。従って運動量情報は位置情報に置き換わるので、この線状像をストリークカメラで測定すれば、一つの電子バンチの縦方向位相空間分布が直接的に測定できる。前年度までに設計した4fイメージングシステムを用いた光輸送路について、レイトレースによる精密なシミュレーションによって分解能を評価した結果、中心運動量が2.4MeV/cの電子バンチについて、運動量分解能1.15keV/cおよび時間分解能0.74psが達成できることを明らかにした。この分解能は電子銃からの電子ビームの診断で十分満足できる値である。
亀甲羅鏡はアルミ削りだしで試作することができた。表面の非線形形状(横方向に球面、縦方向に放物面)は概ね設計値を満足したが表面の荒さ(ラフネス)は必要とする精度の約10倍あり、期待する分解能が実現できないことが分かった。亀甲羅鏡のラフネスの改善という課題が残ったが、本研究のビーム診断コンセプトに誤りはないと結論できた。

備考

研究グループのサーバートラブルでwebページが壊れ、現在復旧中。以下のアドレスで公開予定。
http://tansei.lns.tohoku.ac.jp/abpg/

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Linear Focal Cherenkov-Ring Camera for Single Shot Observation of Longitudinal Phase Space Distribution for Non-Relativistic Electron Beam2014

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi Nanbu, Hiroyuki Hama, Fujio Hinode, Shigeru Kashiwagi, Anusorn Lueangaramwong, Toshiya Muto, Ikurou Nagasawa, Satoru Nagasawa, Yoshinobu Shibasaki, Ken Takahashi, Chihiro Tokoku
    • 雑誌名

      Proc. International Beam Instrumentation Conference

      巻: 1 ページ: /

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 縦方向位相空間測定のためのLFCカメラの開発2015

    • 著者名/発表者名
      日出富士雄
    • 学会等名
      日本物理学会年会
    • 発表場所
      東京都新宿区早稲田大学
    • 年月日
      2015-03-22
  • [学会発表] Linear Focal Cherenkov-ring Camera for Direct Observation of Longitudinal Phase Space of Non-relativistic Electron Beam2014

    • 著者名/発表者名
      Anusorn Lueangaramwong
    • 学会等名
      日本加速器学会年会
    • 発表場所
      青森市リンクステーションホール青森
    • 年月日
      2014-08-09
  • [学会発表] Optical test of silica aerogel radiator for LFC camera2014

    • 著者名/発表者名
      南部健一
    • 学会等名
      日本加速器学会年会
    • 発表場所
      青森市リンクステーションホール青森
    • 年月日
      2014-08-09

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公開日: 2016-06-01  

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