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2012 年度 実施状況報告書

新しい手法による大強度・高効率コヒーレント光源の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24651102
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関大阪大学

研究代表者

磯山 悟朗  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80125989)

研究分担者 加藤 龍好  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (20273708)
川瀬 啓悟  大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (60455277)
入澤 明典  大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (90362756)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード放射光 / コヒーレント放射 / 自由電子レーザー
研究概要

阪大産研Lバンド電子ライナックと自由電子レーザー装置を用いて遠赤外線領域でFELやSASEを発振させ、使用済みの電子ビームが偏向磁石で放射するコヒーレント放射の強度と波長スペクトル、時間構造などの特性を計測する研究を進めている。FELやSASEを電子ビームのバンチング装置として使用するコヒーレント放射が従来型光源の限界を超える高強度で高輝度の単色光とその高次高調波の発生が可能であることを実験的に検証することが目標である。
FEL発振に使用した電子ビームは、偏向磁石で45度曲げてビームダンプに捨てる。この偏向磁石で発生するコヒーレント放射を測定するために、偏向磁石用真空チェンバーを更新して光取出し用窓を設け、これを既存の真空排気した光輸送路に接続する装置の設計を行った。その際の問題は、高真空のFELビームラインとロータリーポンプで排気する光ビームラインを分ける真空窓である。遠赤外光の取出しには、この領域で高い透過率を持つダイアモンド窓が必要であるが、ロウ付けにより高真空で使用できる窓を製作するには高い技術が必要で、国内では市販品が無かった。そのため、ドイツからCVDで製作した直径20φで厚さ0.3mmの多結晶ダイヤ板を購入し、京セラにロウ付けのための技術開発を依頼した。その結果、有効径が18φの高真空ダイヤ窓の製作に成功した。
もう一つの要素はコヒーレント放射用の高感度検出器である。検出感度が高いシリコンボロメータを使用する計画であるが、既存の検出器の性能を測定ししたところ検出素子の劣化により検出感度が低下していることが判明した。そこで、米国製の検出素子を交換して検出感度が回復したことを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度は、アンジュレータ下流の偏向磁石用に光取出しポート付きの真空チェンバーを新たに製作し、光ポートから既存のFEL/SASE用の光輸送路に接続するための真空排気をした光輸送路を製作して設置し、試験的な実験を開始する計画であったが、実験の開始は平成25年度にずれ込んだ。研究実績の概要で述べたが、真空窓と検出器の課題は解決したが、現在、光輸送路の光学系設計を見直している。並行して進めているFELの特性測定実験で、波長スペクトルの測定など定量的な測定をする場合、光輸送路の光学系に問題が有ることが判明した。本研究の光計測に、一部のFEL光輸送路を使用するため、これに合わせて光学系を設計する。現在、この作業を進めており、近いうちに光輸送路の製作を開始する予定である。

今後の研究の推進方策

光学系の設計を進めて、光輸送路を製作する。コヒーレント放射測定系を用いて、FELやSASEの発生実験を行い、その結果生じた電子ビームのバンチングによるコヒーレント放射を計測する。コヒーレント放射のパワーや波長スペクトルは、FELとSASEにより異なるし、それぞれの動作状態でも異なると考えられる。SASEやFELの基本波だけでなく高次高調波の発生とそのパワーを測定して、FELやSASEをバンチング装置とした高輝度コヒーレント放射の発生を実証する。

次年度の研究費の使用計画

大部分の予算は、偏向磁石用光取出しポート付きの真空チェンバーと光輸送路の製作に使用する。これ以外には、実験で必要な液化ヘリウムなどの寒剤やLバンドライナックの使用料に充てる。

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公開日: 2014-07-24  

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