研究課題/領域番号 |
24651108
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
清水 裕彦 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50249900)
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キーワード | 中性子 / 熱外中性子 / 中性子光学 / 中性子スピン光学 |
研究概要 |
前年度に明らかにした単色熱外中性子強度を達成するためのコイルの仕様をもとに、熱外中性子を単色化した際の中性子スピン反転用コイルの製作を進めている。このコイルはおよそ1ミリの間隔で平行に置かれた金属板であり、中性子の進行に同期して順次電流を流すことで、進行磁場を生成する。この平行に並んだ金属板は、一定間隔で配置した二列の支柱にジグザグに渡すことで製作することとした。これに対してパルス電流を流すことで、そのコイル前後を通過する中性子に同期した進行磁場とする。パルス電流を流すための電気回路を設計し、製作を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに、既存のスパレーション中性子源を用いた場合の単色を向上した熱外中性子のビーム量を算定し、実用可能な領域にあることを示した。またその単色化熱外中性子ビームを実現するために、中性子の飛行と同期した進行磁場を発生するためのコイルの製作及びこのコイルにパルス電流を流すための電気回路の設計製作を行っている。これらの基本的な設計を終了し、製作段階に入っている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに、中性子の飛行と同期した進行磁場を発生するためのコイル、及びこのコイルにパルス電流を流すための電気回路の製作が終了した時点で、これらの回路的特性を測定し、その性能をもとに、既存のスパレーション中性子源を用いた場合のの単色化熱外中性子ビームの強度の算定を行う。また本年度より本学で始まった加速器駆動型小型中性子源計画では、連続熱外中性子ビームが発生される予定である。この連続中性子ビームへの応用の可能性を主目的と合わせて検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
初期設計に問題があり、機器製作が遅れたため。 回路部品及び成果取りまとめ・成果公表のための旅費の用いる。
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