ファイバー光学系によるX線ビームの方向や照射位置の制御を行う新手法を開発・実証した。X線伝搬用の中空ガラスファイバーでは、曲率半径が小さいと伝搬しなくなるという難点がある。これを克服するため、肉厚を調整したファイバーを用いることでビーム軌道の曲率を制限した。長さ1.5 m、内径20ミクロンのケイ酸ガラスファイバーのX線伝搬特性を高輝度放射光X線ビームにて評価し、透過率最大数十%、ビーム軸を約10 cmシフトさせることに成功した。また、固定試料に対して、ファイバー終端掃引による吸収率マッピング測定のデモストレーションを行った。本性能はX線パルスの照射時間制御等にも応用できることを示している。
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