研究課題/領域番号 |
24651112
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
今野 幹男 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40125547)
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研究分担者 |
長尾 大輔 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50374963)
石井 治之 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80565820)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ナノ材料 / 異型粒子 / 外場 |
研究概要 |
外部電場と磁場の両者に応答する複合粒子として、可動性コアを球形のシリカシェルに内包させた卵型の複合粒子を合成した。可動性コアには磁性ナノ粒子が埋め込まれており、外磁場のON/OFFによって、コアをシェル内部で動かせることを光学顕微鏡によって確認することができた。本複合粒子を水中に分散させて交流電場を印加すると、印加電場方向に対して鎖状構造を形成するが、その鎖状構造体に磁場を合わせて印加しても、鎖状構造体内でコア粒子が動くことを明らかにした。また、電場と磁場をともに印加したきにのみ形成される粒子鎖状構造も観察されており、電場と磁場の同時印加で発現するする新しいレオロジー特性が期待できる。 ダンベル状の異型粒子分散系に交流電場を印加したときに生じる粒子鎖状構造についても調べた。これまでは水のように誘電率の高い分散媒を中心に検討し、異型粒子の鎖状構造に強い周波数依存性があることを明らかにしてきたが、その周波数依存性は分散媒の誘電率の影響を強く受けることを示した。具体的には、エタノールとポリジメチルシロキサン(シリコーンオイル)を任意で混合し、種々の誘電率を有する溶液に異型粒子を分散させて、そこに交流電場を印加した。その結果、電場周波数によって粒子鎖状構造を変化させるには、同異型粒子を誘電率の高い媒体に分散させる必要があることを光学顕微鏡観察により明確にした。 異型粒子の鎖状構造解析は主に低い粒子濃度で行ったが、同じ構造解析を高い粒子濃度でも行った。その結果、ダンベル状の異型粒子であっても、適切な粒子濃度を設定すれば、2次元の規則配列体を形成することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電場と磁場の両外場に対して応答する単分散な複合粒子を合成し、かつその外場応答性を光学顕微鏡により観察できており、本研究はおおむね順調に進展している。水以外の分散媒としてアルコールやシリコーンオイルに粒子を分散させた実験も行い、そこで形成される鎖状構造も観察したことも、粒子鎖構造形成の支配因子を明確するには重要な知見となる。
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今後の研究の推進方策 |
印加電場の周波数に対して集積構造が大きく変化するダンベル型の異型粒子を中心に粒子鎖状構造の解析をさらに進める。均一な電場だけでなく、不均一な電場も活用することで電極近傍での粒子集積構造を解析することも試みる。これまで利用してきた光学顕微鏡によるミクロな構造解析だけでなく、反射スペクトル測定などのマクロな光学解析も併用し、水-粒子分散系レオロジー流体の開発に必要な基礎的知見を獲得する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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