研究課題/領域番号 |
24651133
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
多賀谷 基博 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (20621593)
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研究分担者 |
田中 順三 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (10343831)
本塚 智 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (30585089)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | バイオイメージング / 診断 / 発光 / 希土類元素 / クロロフィル / 色素 / 水酸アパタイト / メソポーラスシリカ |
研究概要 |
初年度は、バイオイメージング技術への実用を目指して、細胞を効率的かつ低侵襲にイメージするための材料創製技術を確立した。具体的には、生体内・外でがん細胞を効率よく検出するため、生体親和性および発光効率の高いナノ結晶を創製し、細胞レベルで腫瘍部位を特定するイメージング技術を研究した。まず、湿式法により、クロロフィル色素 (Chl) を添加した水酸アパタイトナノ結晶の合成法を確立した。さらに、Chlの中心金属種 (Mg2+, Zn2+, Fe2+) を変えてナノ構造と発光特性(励起波長・発光スペクトル形状・発光効率)を制御できることを見出し、Chl-アパタイト複合形成メカニズムを解明した。特に、Chlのピロール環のソーレー帯の光吸収由来の発光に着目し、Chl-Chl間の疎水性相互作用およびChl-アパタイト間の静電相互作用のバランスを調整し、Chlのモノマー/ダイマー比を自在に制御する合成法を確立した。さらに、合成したナノ結晶は、細胞毒性がなく(正常細胞を損傷することなく)、がん細胞をイメージングできることがわかった。 以上の成果は、医療診断技術(体内診断薬剤による内視鏡診断技術)への実用が可能と見込まれる。企業との共同研究推進および特許出願を精力的に推進し、実用化に向けた研究を展開する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
精力的に研究推進し、“(I)特定細胞をイメージングする材料創製技術開発”と“(II)細胞‐材料界面の諸現象に関する研究”を同時進行させたため、有機的な情報リンクにより、体系的にバイオイメージング材料の設計指針を得ることが実現した。そのため、当初の計画以上に進展した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、医療診断技術への実用が期待される。特に、体内診断薬剤による内視鏡診断技術への実用の可能性が高い。そのため、今後、本研究で創製したChl-水酸アパタイト複合体ナノ結晶のがん細胞への特異的な取込の駆動力を解明し、生体内の微小癌の領域が2 mm以下において、細胞レベルで高感度・高選択的にイメージング・診断できることを明確に示す実証研究の推進が必要である。学会発表(日本バイオマテリアル学会・日本セラミックス協会・米国MRS学会など)・論文投稿を積極的に行い、日本の医療産業の競争力強化に貢献する。同時に、企業との共同研究推進および特許出願を積極的に推進し、実用化に向けた研究を展開する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度において、細胞結合性分子の表面修飾法を確立し、がん(HELA)細胞および線維芽細胞の培養法の確立・細胞とナノ結晶の反応性の評価が課題である。そのため、修飾分子(アミノシラン、細胞結合性分子(葉酸分子、HER2抗体 等))の購入のための研究費使用が必要である。さらに、細胞培養用試薬・細胞染色用試薬の購入を行い、細胞とナノ結晶の反応性の評価を実施する必要がある。その成果を、国内外の学会(日本バイオマテリアル学会・日本セラミックス協会・米国MRS学会など)にて発表する。以上の計画に基づいて、研究費を適正に使用する予定である。
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