超分子複合体の構造を電子顕微鏡による単粒子解析によって解析し、各構成因子の位置を同定する際、分子標識技術が大変重要となる。本研究課題においては、生物学的に大変に重要な、DNA結合蛋白質から構成される超分子複合体に着目し、特に複合体中のDNA末端の位置を可視化する新規標識の開発を行った。DNAの高次構造が容易に設計可能である性質を利用し、その形状から精度良く位置を同定する方法と、微小な、しかし電子顕微鏡で識別可能な高次構造を利用することで可視化する方法を試みた。両者の場合において標識本体の可視化に成功し、特に実用性が認められた後者に関しては、実際に複合体を用いた可視化実験にも成功した。
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