研究課題/領域番号 |
24651156
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梶 弘和 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70431525)
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研究分担者 |
阿部 俊明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90191858)
永井 展裕 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30400039)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | システムオンチップ / 生体材料 / マイクロ・ナノデバイス / 細胞・組織 |
研究概要 |
本年度は、主にマイクロ流路デバイスの作製と網膜色素上皮細胞(RPE)の流路内培養を検討した。フォトリソグラフィーを用いて、シリコン基板上にSU-8のピラー(高さ25 um、直径10 um)を80 um間隔で作製した。この基板をフッ化シランで処理した後、ポリジメチルシロキサン(PDMS)のプレポリマーを流し込み、熱硬化させることで、10 umの細孔のアレイを有するポーラス化PDMS膜を得た。このポーラス膜を、流路構造を造りこんだPDMSモールドで挟み込み、2層流路構造を有するデバイス(各流路のサイズは、幅1 mm、高さ100 um)を作製した。このデバイスの上層流路に、CoCl2負荷でGFPを発現する網膜色素上皮細胞(RPE-HRE-EGFP)を導入し、細胞がポーラス膜に接着後、流路を上下反転させ、同様の操作をして元に戻した。上下の流路共に流速20 ul/hrで培地を潅流させ2日程度培養したところ、ほぼコンフルエントに細胞が増殖した。その後、上層流路に流す培地のみにCoCl2(300 uM)を添加して潅流培養を続けた。すると24時間以内にCoCl2を負荷した上層流路の細胞でのみGFPの発現が確認された。これは、ポーラス膜の上下にそれぞれ培養した細胞に異なる負荷を与えることができることを意味している。今後、ポーラス膜の上下にRPE-HRE-EGFP、脈絡膜血管内皮細胞を培養し、新生血管の誘発と細胞保護に関する細胞周囲環境因子を評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り研究が進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
大幅な研究計画の変更は考えておらず、当初の計画に沿って、オンチップ培養および細胞応答解析を中心に進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じているが、3月までに執行済みの4月支払分であるため、次年度での使用予定はない。
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