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2012 年度 実施状況報告書

自己発電かつ自律推進する液中マイクロロボットの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24651162
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関横浜国立大学

研究代表者

渕脇 大海  横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (20377021)

研究分担者 山梨 裕希  横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (70467059)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードマイクロロボット / ボルタ電池 / Combアクチュエータ
研究概要

まずはじめに、自己発電かつ自律推進する液中マイクロロボットの開発のために、関連技術分野について広く調査を行った。次に、一定速度・一様な流れ中で球が受ける効力を計算し、球が一定速度で動く場合の液体からの効力(粘性力と圧力の合計)を計算した。これにより、球をマイクロロボットと仮定した場合に、ヒレに求められる発生力の必要条件が求まった。次に、単純な剛体ヒレの往復動作と発生力を具体的に計算するために、液中マイクロロボットを、線形モデルにより近似し、液中推進力の担い手であるヒレに求められる発生力、ストローク、周波数を定式化した。さらに、FEM解析により電気回路モデルと力学モデルを連成してCombアクチュエータによりヒレを往復動作させる場合の発生力を計算した。その結果、速度0.1mm/sほどで動く場合は、原理的にボルタ電池の原理により発生する最大電圧2Vで、マイクロロボットを動かすことは理論的には可能であるという解析結果を得た。しかし、流れが不規則な流れの中では、ヒレの効率は1~30%ほどと予想されること、特定の酸や電解質という条件を溶媒に課す割には、大きな力を発生できない、などの弱点を有するめ、今後は、別の原理を用いた推進機構、エネルギー獲得手法について、検討することとした。また、ヒレの効率の良い動きについては、ゲンゴロウや、ミジンコ、ミドリムシ等のcm~0.01mmの微生物の推進メカニズムを解析することで、開発するマイクロマシンに最適なヒレの形状、剛性、軌道などを計算し、実験により検証していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は下記の三つを目標として研究を展開した。
1.自己発電機能の研究(発生電位1~2V、電気容量0.5Wh)
2.静電アクチュエータの研究(1VのCombアクチュエータの発生力で曲がる梁の開発)
3.共振回路の設計(目標:機械的共振と電気的共振を同期、光スイッチの実現)
2については、線形モデルによる各種物理量の定式化、FEM解析ソフトによる発生力の計算など多くの成果を得た。その結果より、0.1mm/sほどの速度で動くマイクロロボットの開発は可能であるとい結論に至った。2単独では、予定以上の成果を得た。1については、2の計算より2Vの電圧ではロボットの推進には十分ではないという結論に至っていることから、電圧を直列にしてウナギの電圧発生メカニズムのように、小さな電池を直列にして、電圧を昇圧させる方法を提案し、その具体的な構成の調査、モデルの提案など研究方針の転換を行った。3については、Combアクチュエータ以外の推進原理を模索する方向に研究戦略が移行したため、原理的な回路の提案でいったん中止している。しかし、アクチュエータが決まれば、最適なアクチュエータの共振回路の設計を行えることを2の成果より確認している。以上、2でボルタ電池とCombアクチュエータの組み合わせ以外の推進原理を検証すべきという解析的・定量的なデータの獲得、各種物理量の定式化に成功しているため、1、3の研究方針が大きく変わったが、戦略的な側面からは、むしろ研究をより良い方向に、修正できたと判断しているため、全体的な評価は、(2)おおむね順調に進展している。と判断している。

今後の研究の推進方策

今後は、Combアクチュエータ+ボルタ電池の原理での設計はいったん中止し、別の原理で動く機構について設計を行う予定である。具体的な内容は知財権の関係で言及できないが、エネルギーを電気エネルギーに変換してから、運動エネルギーに変換するのではなく、外部エネルギーから運動エネルギーに直接変換することで推進原理の単純化を行う。ヒレの動きと、そのバネを共振させるためには、エンジンのように、機構の組み合わせにより実現する予定であり、いくつかのアイデアについては提案済みである。今後は、関連技術を調査しながら、アイデアをさらにブラッシュアップして、可能性が高いものからカット&トライしていく方針である。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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