研究課題/領域番号 |
24651162
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
渕脇 大海 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20377021)
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研究分担者 |
山梨 裕希 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70467059)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | マイクロロボット / ヒートエンジン / 形状記憶合金 / 最適解 / バブルジェット / 過酸化水素水 / ボルタ電池 / Combアクチュエータ |
研究実績の概要 |
本研究は、液中にて自己創エネルギー、自律推進する全長1mm以下のマイクロロボットの開発を目的として3年間実施された。1年目は、ボルタ電池の原理で静電アクチュエータの一種であるCombアクチュエータを連続駆動するアイデアの妥当性を検証するために、力学・電気回路の線形モデルの連成解析、有限要素解析を実施した。その結果、2000Vの電圧が必要であることが分かった。ボルタ電池の2Vでは、発生力が不足するため、多足生物のようにCombアクチュエータの数を2000個以上にする方法か、2000V以上の電圧を得るために、電気ウナギのように2000以上の小型電池を直列接続する方法が必要であることが分かった。二つの方法ともに、試作は困難と判断したため、二年目、三年目は別原理を検証することにした。二年目は、形状記憶合金、プーリー、歯車により構成されるヒートエンジン法を検証した。体積に対する表面積の比が全長に比例して向上するために、マイクロロボットのような小型機械には適すると判断したためである。1970年代より多くの研究事例があるが、いずれも大型化して大電力を獲得することを目的とする研究であった。また、歯車の歯数の比など重要なパラメータの最適解が得られていないなど、理論面でも不足があった。そのため、機械要素の小型化法、力学モデルの解析を実施した。力学モデルでは、これまでに得られなかった歯数の比をパラメータとして発生出力を、三次方程式の解として世界で初めて定式化した。今後は、理論解の検証実験を予定している。三年目は、過酸化水素水が白金触媒反応により酸素バブルを発生する原理を検証した。熱で先鋭化したガラスピペットに白金球を導入し、熱で融着して、先端を切断する新しい試作法を新提案した。この方法では熱でピペットを曲げることで、連続回転するモータ、直動モータを実現できる可能性を示唆した。
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備考 |
2013年11月12日〜15日に台湾大学と台北科技大学が共催し台北市で開催された国際会議ASPEN2013において、大学院工学府 博士課程前期1年青野 弘幸さん(指導:渕脇准教授)が最も優れた論文「Best Paper Award」を受賞しました。、ボルタ電池の原理で自己発電し推進エネルギーを獲得し、Combアクチュエータにより自己推進する液中マイクロロボットの解析結果の発表です。
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