ナノチューブに白金層を貼り合わせた世界最小のバイメタル型ナノアクチュエータの作製に取り組んだ。作製した白金/ナノチューブ複合体はそのままでは熱駆動アクチュエータとして動作せず、その原因がナノチューブの有する高い剛性と、わずか200℃で白金層が収縮するというナノ領域独特の現象であることを突き止めた。結果として、片持ち梁状ナノチューブ1本1本の曲げ剛性をイオン研磨処理によって低く制御することにより、100℃の温度変化で、先端を数十~数百nmの範囲で可逆的に変位させることに成功した。また、バイメタル型アクチュエータとして動作しうる最小のナノチューブ直径は20nm程度であることが示された。
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