ターゲットに金属のVを用いて作製した酸化バナジウム膜については、X線回折の結果から組成がVO2に近い構造のピークが何度か得られたが、再現性が非常に乏しかった。これはスパッタ中にターゲットが酸化してしまうことで、堆積する膜の酸素濃度も変わってしまうことが原因と考えられる。構造がVO2に近い膜は340度付近で金属・半導体層転移することが電気伝導測定からわかった。 一方、ターゲットにV2O5を用いると、基板温度が600度付近で、VO2相に相当するX線回折ピークの強度が増加したが、均一な単相の状態を作製するのが難しく、得られた膜の電気伝導を測定すると、金属・半導体相転移の転移温度、抵抗変化が小さかった。
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