研究概要 |
本研究は,従来の原油,天然ガス等の一次エネルギーを直接利用する社会システムに対し,電気や水素等の二次エネルギー中間媒体を用いる社会システムを構築した場合の効果を複合的に評価する一般化モデルの提案と検証を目的として実施した.新たな中間媒体導入における便益と社会的投資が比較可能なシミュレーションモデルを構築し,運輸部門,とりわけ自動車用燃料に適用してモデルの妥当性を検証した.モデルにおいては,現行の石油系燃料供給システム以外に,天然ガス,副生水素ガス,各種バイオマス,陸上風力発電,太陽光発電,地熱発電,中小水力発電など,複数の一次エネルギーを考慮した.また,消費者アンケートを実施し,燃料供給ステーションの配備と新たな中間媒体を用いる自動車の普及との関係性を得て,モデルに反映させた.その結果,消費者の意向にもとづいた各中間媒体を用いる自動車の普及台数のシミュレーションモデルと,燃料供給ステーションの配置を,便益や社会的投資の視点から最適化する手法を確立した.また,本モデルによって,便益,エネルギー効率の観点から中間媒体を比較することが可能となった. The model is made that enables comparison of benefits and investments in introducing new secondary energy media, and is applied to the transportation sector, especially automobile sector. The simulation of the market penetration of new vehicles, and a method to optimize locations of refueling stations are established.
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