研究課題/領域番号 |
24651185
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
岡 泰資 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (10240764)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 消防活動 / 疲労 / 心拍数 / 外耳温 |
研究概要 |
消防隊員の活動現場は,オフィスや生産工場などの作業環境に比べ過酷であり,このような労働環境下での活動に伴う負担が,消防隊員の身体的・精神的な疲労へと繋がると考えられる。疲労蓄積が原因となり,人的ミスや安全管理の欠如,傷病者やその関係者との対応時の齟齬が生まれる可能性がある。今年度は、消防活動が隊員の心肺機能や肉体にどのような負荷がかかっているのかを,安定した条件下で再現性よく負荷の程度と心肺機能や生体情報との関係を示すデータを積み重ねることができること,それぞれの活動におけるデータ解析が実施できるだけの十分な時間をもつ項目で構成されていることを条件とした消防活動モデルの提案を目的とした。 消防活動モデル構築の対象とした活動は,8階建て訓練棟での消防活動であり,体温上昇の時間変化,瞬時心拍数の立ち上がりおよび最高到達心拍数を実測した。その結果,熱抵抗の高い防火衣を着装した状態での25分間の消防活動により,瞬時心拍数は活動開始から終了まで160~190 bpmの範囲で変動し,また,外耳温は活動開始から単調に上昇し,約3 ℃の上昇を記録した。このことからも消防活動は,身体的に負荷の高い活動であることがわかった。 8階建て訓練棟での消防隊員の立体的な動きを,屋内の限られた平面での活動で置き換えた項目を組み合わせることで消防活動モデルを構築した。構築した消防活動モデルに沿った活動において測定した瞬時心拍数,外耳温の時間変化は,中層建物での消防訓練におけるこれら物理量の時間的変化と絶対値の変化を模擬できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
消防活動に伴う疲労蓄積を測定するために,安定した条件下で再現性よくデータ取得するための消防活動モデルを,中層建物での消防訓練における消防隊員の立体的な動きを,屋内の限られた平面での活動で置き換えた項目を組み合わせることで構築できた。温度・湿度が制御できる人工気候室にて,構築した消防活動モデルに従った活動を実施し,データを積み重ねている。
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今後の研究の推進方策 |
RR間隔のゆらぎ成分の周波数解析から,周波数に対するパワースペクトルの減衰性状に注目した検討を行う。また,疲労度判定のしきい値を検討するために,活動時間と印加負荷量の組み合わせに注目した測定を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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