研究課題/領域番号 |
24651187
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
齊戸 美弘 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00303701)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 火災原因解析 / 揮発性有機化合物 / 油類 / 微量分離分析 / 試料前処理 / ガスクロマトグラフィー / マイクロ抽出法 / 空気環境測定 |
研究概要 |
本研究では、超小型の試料前処理デバイスを開発し、火災現場空気試料の迅速なサンプリングおよび分析前濃縮を行うとともに、その試料を精密分離分析することにより、空間分布が精密解析可能な新規火災原因解明技術を開発することを目的としていいる。本研究初年度である平成24年度は、当初の研究計画に沿って、使用する試料前処理媒体のデザイン、ならびに抽出針・試料気体採取器の開発を行った。 1)[試料前処理媒体のデザイン・合成ならびに評価] 本研究者らのこれまでの研究成果を受けて、火災現場の検証に特化した試料前処理濃縮媒体を合成し、その基本的な抽出性能を評価した。また、本研究目的に最適な高分子抽出媒体の化学構造ならびにマイクロ試料前処理デバイスの内部構造を検討した。 2)[抽出針ならびに試料採取系の開発] 上記で合成した抽出媒体を充填した抽出針を作製し、実際の気体試料の採取を通して、試料採取系の性能確認を行うとともに、改良を行った。空気試料中に含まれる微量油類の抽出の基本性能を確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
これまでの本研究の進捗状況は極めて順調である。特に、空気環境中に存在する微量揮発性有機化合物の高感度検出については、当初の想定を上回る微量揮発性有機化合物の検出ならびに定量に成功している。また、火災原因調査のため当初想定していた油類以外の燃焼源由来化合物の検出についても、十分な可能性を見出してきており、一層幅広い応用可能性が示されてきている。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究計画2年目の次年度も、当初の研究計画に沿って研究を推進する。特に、微量油類の検出技術については、実際の油類を用いた燃焼実験等を通して、一層詳細に検討する。燃焼実験では、燃焼後の経時変化の詳細なモニタリング、微量油類の空間的濃度分布などの解析についても検討する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
初年度の研究費交付総額決定を受けて、当初の研究計画調書において申請した申請総額との差額分については、使用する器具・薬品等の見直しにより、一部を除き、おおよそ吸収できたものと考えている。次年度についても、実験の効率化を一層推進することにより、当初計画に沿った研究進捗を可能とするべく、経費の有効活用に努力する予定である。
|